# コンプレッサー

## 何のためのものか {#compressor}

**コンプレッサー**は、音が大きくなるたびに、自動で、1 秒間に何度も音を下げます。大きな瞬間が抑えられると、パート全体を持ち上げられるので、小さな瞬間も聴こえ、何も飛び出さなくなります。パートはミックスの中で、現れたり消えたりせず、一定のレベルに収まります。

ボーカル、ベース、ドラムのパートにムラがあるときに使います。聴こえなくなる音があり、出すぎる音があり、フェーダーをどこに置いても全部には合わないときです。その背景にある考え方は[ダイナミクス](/manual/sound-in-ten-ideas#dynamics)です。

<AudioSet title="ムラのある演奏のドラム" hint="どちらも全体の音量は同じです。小さなヒットを聴いてください。" :examples="[['compressor-before', '演奏のまま'], ['compressor-after', 'コンプレッサー後']]" />

かけすぎは簡単です。強くかけすぎた音は平板で聴き疲れし、弱い演奏と強い演奏の差が残りません。コンプレッサーが何をしているか聴き取れないなら、すでに十分に効いていることがよくあります。その[出発点](/manual/devices#devices-presets)は、*Even out a vocal*、*Punchy drums*、*Steady bass*、*Body underneath*、*Glue the mix* です。

## Threshold {#compressor-threshold}

コンプレッサーが音を下げ始めるレベルで、デシベルで表します。−80 から 0 dB までです。これより小さい音は、手を加えられずに通ります。Threshold を下げると、より多くの音が捕まります。上げると、最も大きなピークだけが捕まります。

<AudioSet title="Threshold" :examples="[['compressor-threshold-high', '高い：最も強いヒットだけが捕まる'], ['compressor-threshold-low', '低い：すべてが抑えられる']]" />

## Ratio {#compressor-ratio}

Threshold を超えた音を、どれだけ強く抑えるかです。1:1（何もしない）から 100:1 まであります。2:1 なら、2 dB 超えた音は 1 dB 超えた状態で出てきます。穏やかで、気づきにくい設定です。10:1 になるとほとんど何も通らず、結果は引き締まって平板になります。

<AudioSet title="Ratio" :examples="[['compressor-ratio-gentle', '2:1'], ['compressor-ratio-strong', '12:1']]" />

## Attack {#compressor-attack}

音が大きくなったときに、コンプレッサーがどれだけ素早く反応するかです。0.02 ms から 0.5 秒までです。速い Attack は、各ヒットのごく頭を捕まえて、柔らかく丸くします。遅い Attack は、頭を通してから残りを抑えるので、パンチが保たれ、むしろ強まることもあります。

<AudioSet title="Attack" :examples="[['compressor-attack-fast', '速い：ヒットそのものが柔らかくなる'], ['compressor-attack-slow', '遅い：ヒットがパンチを持って抜ける']]" />

## Release {#compressor-release}

音が再び小さくなったときに、コンプレッサーがどれだけ素早く手を離すかです。5 ms から 5 秒までです。速い Release は、ヒットの合間にレベルを戻すので、パートが大きく、勢いよく聞こえます。極端に速くすると、聴いて分かるほどポンピングします。遅い Release は、レベルをより長く下げたままにするので、なめらかで落ち着いた音になります。

<AudioSet title="Release" :examples="[['compressor-release-fast', '速い：ヒットの合間で息をする'], ['compressor-release-slow', '遅い：抑えたままになる']]" />

## Gain {#compressor-gain}

圧縮のあとに足すレベルです。−24 から 24 dB までです。大きな瞬間を抑えるとパート全体が小さくなるので、Gain で元の大きさに戻します。コンプレッサーのオンとオフで音量が同じになるように合わせてください。そうして初めて、良くなったのか、ただ大きくなっただけなのかが分かります。

## Mix {#compressor-mix}

結果に占める、圧縮した音の割合です。100 % より下げると、手を加えていない音が混ぜ戻されます。元の音の生き生きした感じを残しつつ、圧縮した音の厚みを得られます。[Mix](/manual/devices#devices-mix)を参照してください。

## Listen to {#compressor-listen}

普通、コンプレッサーは、自分を通る音に反応します。**Listen to** にすると、代わりに別のトラックに反応させられます。メニューからトラックを選びます。メニューには、曲のほかのトラックが並びます。すると、このトラックは、自分が大きいときではなく、選んだトラックが大きいときに抑えられます。コンプレッサーは、そのトラックをフェーダーのあとで聴きます。ほかのスタジオはこれをサイドチェインと呼び、信号を手作業で配線させますが、ここではメニュー1つです。

パッドがボーカルのために場所を空けたり、音楽が話し声の下で下がったりするのは、この仕組みです。あるトラックが別のトラックに道を譲るだけの単純な場合には、[ダッカー](/manual/ducker)が、ノブ2つで同じことをします。

**Nothing** にすると、コンプレッサーは自分のトラックを聴きます。聴いていたトラックが削除されると、メニューに **A removed track** と表示され、別のトラックを選ぶまで、コンプレッサーは自分の音に戻ります。

## Listen above {#compressor-listen-low-cut}

**More** の中にあります。この周波数より低い音は、コンプレッサーが聴かなくなります。範囲は 20 から 500 Hz です。ただし、音全体への処理は続けます。これがないと、大きなベースやキックで、トラック全体がポンピングし始めます。これがあると、コンプレッサーは代わりに、ボーカルやギターに反応します。最も低い 20 Hz にすると、オフになり、コンプレッサーはすべてを聴きます。

## リダクションメーター {#compressor-reduction}

デバイス上部のメーターは、その瞬間ごとに、コンプレッサーがどれだけ音を下げているかを示します。リダクションに合わせて伸びるバーと、その横にデシベルの数値が出ます。デバイスが何をしているかを最も手っ取り早く知る方法です。バーがほとんど動かないなら Threshold が音より上にあるということです。ゼロに戻らないなら、音はずっと抑えられ続けています。たいていのパートでは、大きな瞬間に 3 から 6 dB 動けば十分です。
